キッチンカーで移動販売!? 不思議なキャラバン・ビジネス、失敗しない開業方法は?
キッチンカー(移動販売車)を見かけない日はないくらいですが、流行なんでしょうか?
寒くなってくると、たい焼き屋さん、たこ焼き屋さん、どら焼き屋さんなど、”あったか系”が目立つようになります。
ちょっと入ったスーパーの前でも、大判焼のキッチンカーが営業していました。
しかも午後3時で、もう「終了」の札が!
売れまくっちゃってますね! 平日だというのに。
なるほど、キッチンカーで開業! という生き方もあるんですね。
私自身も副業から個人事業主として独立という道を歩んで来たので、キッチンカーで開業されている方たちには、大いに興味があります。
昭和の移動販売というと、屋台のラーメンとか焼き芋屋さんがすぐに頭に浮かびますが、令和の時代は、イタリアンだとか茶室トラックだとか、だいぶバラエティにとんでいるようです。
キッチンカーというのは、移動販売車とも言いますが、固定店舗を持たずに、店舗として改造した軽トラックやワゴン車で、客の集まりそうな場所へ出向いて行って、料理や物を販売するスタイルのものを言います。アメリカでは、フードトラックとかケータリングカーと言うそうです。
キッチンカーを始めるには、どんなことが必要なのか? 自分がやると仮定して、いろいろ調べてみました。
キッチンカー(移動販売車)って、 儲かっているの?
そもそも、キッチンカーって、儲かるんでしょうか?
それを知らずには、ちょっとやってみようとは決断できないですね!
たくさんの方たちが取り組んでいるということは、きっと儲かるに違いないとは思うんですが、具体的にどれぐらいの売上・利益があるんでしょうね?
平均して年収が700万円という数字も見ました。かなり、いい方だと思います。
ただ、これは平均ですから、成功している人はすさまじく稼いでいることもあるし、うまくいかずに赤字で苦しんでいる人や廃業・撤退する人もいるので、平均年収だけ見ても、直接参考になるわけではないです。
まず、何を売るのか決めないことには、具体的な検討ができません。
だいたい、キッチンカーで儲けを出しやすいものというのは決まっているようです。それ以外のもので勝負をかけようとすると、それは商売ではなく「冒険」になってしまいます。
まず、「粉もの」!
たこ焼き屋さん、たい焼き屋さん、クレープ屋さんなどは、原価が低く利益率が高い「儲かる」商品になります。
何を売るかは、この「原価」と「利益率」で判断する必要があります。原価が高いと、いくら利益が出るとしても、それを回す資金がたくさん必要になります。原価は安い方がいいです。
投資額が少なくて済むと、お客さんが少なくても、事業として継続することができる可能性が高まります。お客さんが多い場所へ移動することで、投資額を回収することができるからです。
この「移動できる」というキッチンカーの強みを発揮するためには、販売させてもらえる客の集まる場所を確保する必要があります。
そういう場所には、ライバルも目を付けていますから、普段からのリサーチ力と、場所の所有者(スペース・オーナー)と交渉する交渉力が必要になります。
この図式で見ていくと、焼き鳥、ケバブ、メロンパンなども、比較的儲けやすいものになります。しっかりとフランチャイズ業界に握られているジャンルです。
最近は、アクセサリーやハンドメイドの雑貨や子供服といった食品以外のものを、移動販売している例も増えています。これらも共通するのは、「原価が安い」ということですね! そして、移動できるメリットを活かして、攻めのセールスをしているわけです。
キッチンカーのターゲットと儲かる理由
需要がある商品を提供することで、はじめて商売が成立します。
キッチンカーといえどもそれはいっしょで、出店する場所で、そこへ来る人々が欲しがるものを提供することをまず考えねばなりません。
「オフィス街のランチ難民」をターゲットにしたキッチンカーが、急速に伸びているようですが、これはまさに、供給が間に合わない需要を、うまく取り込んだモデルケースだと思います。
移動販売で売れる物=出店場所で人々がほしがるもの、です。
よく大きな店舗の前のスペースを借りて、キッチンカーをオープンしているのを見かけますが、その店で売っているものと違った「付加価値」を与えることが重要です。
同じ食品、たとえば「たこ焼き」でもいいですが、スーパーとかで売っているのは作ってから時間がたったものです。
それに対して、キッチンカーで「作りたて」の湯気が立っている熱々のものを販売すれば、お客さんは同じ「たこ焼き」であっても、キッチンカーのものに価値を見出してくれます。商売が成り立つといっていいでしょう。
「その場で調理加工する」というキッチンカーの強みを発揮するのは、こんな理由ですね。
キッチンカーで開業するのに、資格はいるの? どんな資格?
キッチンカーも食品の販売業には違いがないので、「食品衛生責任者」の資格が必要です。「食品衛生責任者」資格は、各都道府県の食品衛生協会に申し込み、講習を受ければ取得できます。費用は10,000円ほどかかります。
資格を取るだけではなく、 保健所で移動販売の営業許可を取る必要があります。実際に使う移動車を持ち込んで、条件を満たしているかどうか、審査されます。この審査に通らないと、営業ができません。
最初に悪印象を与えると、最終的な許可が下りるまで時間がかかったという体験を語る人もいます。なんか、いかにもありそうで、いやですね!
また、県を越えて移動する場合、県ごとにその県の保健所で営業許可を取る必要があるうえに、県ごとに営業許可を与える条件に違いがあるということなので、最初の段階でよく計画を立てておく必要があります。費用は、保健所ごとに、1万5千円から2万円程度かかります。
キッチンカー の開業資金って、どれくらい? 何にかかるの?
キッチンカーを開業した人の実際の開業費用を見てみると、大半は300万円未満のようです。
だいたい250万円~300万円といっていいようです。これに毎月の運転資金がかかります。
飲食店や小売店を開業する場合は、平均して870万円程度の初期資金がかかります。飲食店はおもに内外装工事にお金がかかり、それだけでも400万円程度かかるとのこと。小売業では在庫資金に最もお金がかかる傾向があり、200万円程度は在庫に使うことになります。
それらと比べると、キッチンカーは、改造する自動車を所有していたり、中古車を活用すれば、100万円以内で開業することも可能なので、やり方次第ではかなり安く始めることができますね! 自分でDIYして始める人もいます。
反対に、運転免許を取るところから始めるとなると、時間も資金も余計にかかります。
開業費として考えておく必要があるのは、キッチンカーの車両代と調理設備代です。
調理設備と言っても、素材を一から料理するのではなく、半完成品を焼いたり切ったりという簡単な調理をするための設備になります。
ただ、焼いたり揚げたりが必要な場合、専用の機器を入れるとなると高額なものもあるので、どの程度のものにするかはちゃんとリサーチする必要があります。
シンクや水を入れるポリ缶、ごみ箱、冷凍庫・冷蔵庫(扱う商品による)、その他調理器具などが、「設備」の内容です。
「看板」「チラシ」などの販促品も、必要な場合がありますね!
もちろん、「食品衛生責任者」の資格費用や、保健所での営業許可を得るためにかかった費用も、開業資金に含まれます。
毎月の回転資金の内訳は?
回転資金で一番大きなのは、キッチンカーをオープンさせてもらうための場所代、つまり「出店料」になります。固定額ではなくて、売り上げの15%とかに設定されている場合が多いと思います。
もし、自分一人でやるのではなく、アルバイトとかを雇うとなると、当然「人件費」がかかります。
さらに使い捨て容器(トレー、カップ)やビニール袋は、売れれば売れるだけかかります。
手を洗う消毒剤や石鹸代。
調理用プロパンなどのガス代、電気を使うには発電機用のガソリン代がかかります。
けっこう目に見えないところの出費が多そうです。
キッチンカー開業で失敗する人の廃業率は? 多い?少ない?
キッチンカー(移動販売車・フードトラック)で開業したとして、みんなが成功するわけではないのは、他のビジネスと同様だと思います。
では、どの程度の人たちが廃業しているのか、「廃業率」を知りたいですね。
いろいろ調べましたが、キッチンカーの廃業率というのは、把握するのが難しいようです。
そもそもキッチンカーとして届け出る制度がないことや、副業としてやっている人もいれば、不定期に開催されるイベントだけに出店する人もいたりと、営業形態もまちまちなので、廃業率の測定は困難とのこと。
でも、キッチンカーをやっている人のブログなどを見ると、うまくいかずにやめていく人は、けっこう多いように思われます。
キッチンカー 開業で失敗する人は、「少ない自己資金で始められる」という言葉に惹かれて、十分に下調べをせずに始めてしまった人が多いようです。
最近は、キッチンカー開業をサポートする会社なども出てきており、「出店場所は本部が紹介するので自分で探す必要がない」などの歌い文句を信じて開業したものの、なかなか紹介してもらえず、じり貧になって廃業というケースもあるようです。
出店場所は最初から、自分の足を使ってこまめに、出店させてくれる店や空きスペースを探したり、粘り強く交渉する覚悟を持っておいたほうがいいですね。
自分のビジネスを持つ以上、何事も他人頼みというのはやめたほうがいいです。後で泣きを見るのは自分ですから。