硬派弦楽アンサンブル 「石田組」の軌跡
硬派弦楽アンサンブル 「石田組」とは?
2014年、ヴァイオリニスト石田泰尚のプロデュースにより結成された、男性奏者だけの弦楽アンサンブル「石田組」。
「男性だけ」というヴィジュアルなインパクトは、かなり大きい。
石田組長以下、メンバーは次の通り。
【ヴァイオリン】 石田泰尚、執行恒宏、村井俊朗、佐久間聡一、丹羽洋輔、鈴木浩司
【ヴィオラ】 生野正樹、萩谷金太郎、多井千洋
【チェロ】 金子鈴太郎、辻本玲、玉川克
【コントラバス】 米長幸一
神奈川フィルハーモニー管弦楽団の首席ソロ・コンサートマスターである石田組長を初めとして、メンバーのみんなも、広島交響楽団コンサートマスター、東京ニューシティ管弦楽団、NHK交響楽団、神奈川フィルハーモニー管弦楽団、東京都交響楽団、日本フィルハーモニー交響楽団などに所属する、オーケストラメンバーとして第一線で活躍する錚々たる顔ぶれが集められています。
レパートリーとする楽曲も、通常のクラシックユニットとは一線を画していて、バロック音楽から映画音楽やロック、ピアソラタンゴまで、幅広いジャンルのプログラムに挑戦しています。
特にロック系のナンバーは圧巻!と評判のようです。
石田泰尚の使用楽器は?
石田泰尚の気になる使用楽器は、1690 年製 G.Tononi(ジョヴァンニ・トノー二)。
ヴァイオリン製作者というと、オークションで高値を付けるたびに騒がれる、アントニオ・ストラディバリが有名ですが、ジョヴァンニ・トノー二は、そのストラディバリとほとんど同時代に生きた人で、オールド・イタリアンのヴァイオリンの名器を残しています。
石田組って「硬派」なの? なぜ?
「石田組」のメンバーは、なぜか男性だけ。
「硬派」のイメージも、そこから来ているところが大きいのかな、という気がします。
じつは「硬派弦楽アンサンブル 石田組」の「硬派」というキャッチコピーは、メンバーの誰かが名付けたわけではなくて、横浜みなとみらいホールで公演をした時に、ホールの企画担当者がチラシで「硬派弦楽アンサンブル」というコピーを用いたのが最初とのこと。
それ以来、ほかの会場でもその呼び方を使うようになったのだそうです。
石田泰尚(いしだ やすなお)は、自分もメンバーも、硬派でも何でもないと言っています。「石田組」というユニットを、「硬派」としてプロデュースするつもりもないとのことで、ただ、女性奏者が多いクラシック界で、男性だけのメンバーでもこれだけやれるということを、見てもらいたいというのが、「石田組」の狙いのようです。
「石田組」組長・石田泰尚は「硬派」か?
弦楽合奏団「石田組」をプロデュースしている石田泰尚は、クラシック・バイオリニストであり、神奈川フィルハーモニー管弦楽団の首席ソロ・コンサートマスターです。
経歴を見ると、神奈川県出身で、国立音楽大学を首席で卒業となっています。「こくりつ」ではなく、「くにたち」です。
音楽学校を首席で卒業するって、すごいことなんでしょうね!
成績優秀者だけが出演できる卒業演奏会で披露したバイオリン演奏に、観客の拍手が鳴りやまなかったとか!
ヘアスタイルを見ると、なるほど!これは「硬派」だわ!
丸坊主にした頭のサイドにラインアートをいれています。
こんなクラシック奏者、見たことない!
1994年、「YAMATO弦楽四重奏団」を結成。
2000年、アルゼンチンの作曲家アストル・ピアソラを追及した「トリオリベルタ」を結成。中岡太志(ピアノ)、松原孝政(サックス)、石田泰尚(ヴァイオリン)という新しいスタイルでピアソラを演奏。
2001年、「トリオ・アパッショナート」を結成。故羽田健太郎(ピアノ)、村井将氏(チェロ)。
2005年、ピアニスト及川浩治の呼びかけでピアノトリオ「Bee」を結成。及川浩治(ピアノ)、石川祐支氏(チェロ)。
2014年、男性奏者だけの弦楽アンサンブル「石田組」を結成。
いろいろな演奏家たちと出会いながらユニットを組み、活動の場を広げ続けている、彼の活動の軌跡を見ると、「石田組」組長・石田泰尚は、「硬派」というより「カリスマ」と呼ぶべきでしょうね!
石田組のCD発売はどうなってる?
石田泰尚、そして彼が所属してきたユニットと「石田組」がリリースしてきたCD情報をまとめておきます。
2000年、世界初となる山田耕作の弦楽四重奏CD『String Quartet, 1, 2, 3, Piano Quintet, Etc: Yamato Sq 井田久美子(P)』をリリース。YAMATO弦楽四重奏団によるもの。
2003年、ソロ・デビューアルバム『情熱のヴァイオリン~Violin Appasionato~』リリース。
2005年、2ndアルバム『Dolce Violin〜優美なるヴァイオリン』リリース。
2007年、『Hyper Classic』をリリース。村井将氏(チェロ)、下森佳津美氏(ピアノ)。
2008年、YAMATO弦楽四重奏団による『弦楽四重奏のための日本民謡』をリリース。
2009年、『ブラームス/ヴァイオリンソナタ全曲集』をリリース。2009年1月ライブ録音。
2014年、「石田組」を結成。
2017年、『ALL BRAHMS LIVE』2016年11月30日リサイタルのライブ録音。
石田組デビューアルバム『THE石田組』をリリース。
ソロ・アルバムは、けっこう順調にリリースして来たようですが、
「石田組」としては、2017年にようやく初CDをリリースしたところのようですね。
デビューアルバム『THE石田組』の曲目を紹介しておくと、
1 紫の炎(ディープ・パープル)
2 シーザーズ:パレス・ブルース(U.K.)
3 カシミール(レッド・ツェッペリン)
4 タンゲディアIII(アストール・ピアソラ)
5 荒野の七人(エルマー・バーンスタイン)
6 リュートのための古風な舞曲とアリア~第3組曲(オットリーノ・レスピーギ)
2016年横浜みなとみらいホールでのライブ録音盤です。
石田組のテレビ出演はあるのか?
これまでの石田泰尚と石田組のテレビ出演歴を紹介します。
2004年『題名のない音楽会21』出演。
2016年『嵐にしやがれ』(日本テレビ系)出演。「組長系ヴァイオリニスト」と紹介されました。
2018 年、NHK-FM『ベストオブクラシック』、BSプレミアム『クラシック倶楽部』に石田組が出演。石田組のステージは、絶大な反響を呼び起こしました。
2019年、NHKEテレ『ららら♪クラシック』に出演。