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サムライアリvsヒアリ! 気になる日本本土決戦!

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※写真はイメージです。

 

サムライアリが注目されていますね!

サムライアリは、漢字で書くと「侍蟻」になります。

アリ界のお侍さまですね。

 

鎌のような鋭い下アゴを持ち、体は黒褐色をしています。

 

サムライアリは強い!

ヒアリの天敵になる!

…などと言われることもあり、また、

マンガドラえもんに登場したこともあり、

サムライアリが他のアリを「奴隷にする」性質を持つことが、

多くの人に知られているようです。

 

実際のところ、サムライアリとはどんな性質を持ったアリなのでしょうか?

本当にヒアリを撃退することができるのでしょうか?

調べた結果をまとめてみました。

 

 

サムライアリの生態とは?衝撃的すぎる真実のすがた!

夏の日の蒸し暑い午後、黒いアリさんたちが行列を作って何か白いものを運んでいたら、それはサムライアリの「働きアリ」たちが、クロヤマアリの巣を襲った帰り道かもしれません。

 

白いものはクロヤマアリのサナギや幼虫で、サムライアリたちはこのサナギや幼虫を自分たちの巣に持ち帰り、クロヤマアリの成虫になるのを待って、自分たちの「奴隷」にして働かせるのです。

これを、サムライアリの「奴隷狩り」と呼んでいます。

 

サムライアリたちは、この「奴隷狩り」以外に仕事はなく、餌集めから女王アリの世話、拉致してきたサナギや幼虫の世話まで、すべて、すでにいる奴隷のクロヤマアリに任せています。

 

奴隷にされたクロヤマアリの寿命は、長くても2年程度なので、サムライアリたちは真夏の晴れた日に、1日に1~2回程度奴隷狩りに出かけ、奴隷を補充し続けなければなりません。

 

労働を一切せずに、食べることまで奴隷のアリ任せ! サムライアリというのは凄い上級市民アリですね!

 

サムライアリ女王の結婚飛行から始まる!

サムライアリが新しい巣を持つときは、どのようにするのでしょう?

 

サムライアリの女王アリが「結婚飛行」に飛び立つのが7月上旬ころ。

無事に交尾を終えると、女王アリはクロヤマアリの巣を探して、供もつれずに単身巣の中に潜り込みます。

 

その巣の女王アリを見つけると、サムライアリの女王はひと噛みに噛み殺し、その巣の女王アリに成りすまして巣を乗っ取ってしまいます。

 

クロヤマアリの働きアリたちは、最初こそ、侵入してきたサムライアリの女王アリを敵として攻撃しますが、うまく撃退できずに自分たちの女王アリが殺されてしまい、3日もたつと、クロヤマアリたちは「新女王」のもとに餌を運び始めるようになります。

 

サムライアリの女王アリは、クロヤマアリたちが運んでくる餌をたらふく食べて、たくさんの卵を産みますが、この卵から孵るのはすべてサムライアリばかり!

 

孵化したサムライアリたちにクロヤマアリたちが餌を運んで、こうして完全にサムライアリの新しい巣が出来上がります。

 

成虫になったサムライアリは、斥候アリが奴隷にするクロヤマアリを探して外に出ますが、いったんクロヤマアリの巣を見つけるや、すごいスピードでクロヤマアリの巣を集団で襲撃し、サナギや幼虫を強奪する「奴隷狩り」が始まります。

 


 

 

サムライアリはヒアリを撃退できるのか?

「殺人アリ」とも呼ばれる危険外来生物である致死性の毒を持つヒアリが、日本に侵入したのが確認されたのは2017年(平成29年)のこと。

 

ヒアリは、尻に毒針を持っており、刺されるとアルカロイド系の毒によって激痛が走り、刺されたところが水疱状に腫れあがります。

アナフィラキシーショック(毒に対するアレルギー反応)を起こすことがあり、最悪の場合は死に至ることもあるそうです。

攻撃性がきわめて強く、爬虫類や小型の哺乳類をも集団で襲い、捕食することがあります。

地表に土を唾液で固めて「山型」の盛り土の巣を作り、その高さは50cmに達するものもあるそうです。

 

現在までに、すでに14都道府県で45事例のヒアリ確認がなされています。(環境省ホームページより)

 

ずいぶん、増えてきていますね。

 

 一般論として、日本在来のアリたちは、彼らの生息圏内にヒアリが侵入してきた場合、縄張りを守るために攻撃して撃退すると考えられます。

なので、むやみにアリ駆除剤を撒いたりしない方が良いという意見もあります。

 

ただし、これはあくまで一般論なので、「ヒアリが在来種を駆逐する」という見解を持つ研究者もおり、実際のところは、そうなってみないと分からない、というのが本当のところのようです。

 

在来種のいない場所に、ヒアリが巣を作ってしまうことだって考えられますからね。

棲み分けてしまったら、アウトです!

日本のアリよりヒアリの方が、圧倒的に強い繁殖力を持っているので、マス取りゲームに最終的に勝つのはヒアリの方かもしれません。

毒針という武器は持っているし、小型哺乳類まで襲うという攻撃性が、日本のアリの比ではありません。

天敵の多い環境を生き抜いてきたことによって、日本のアリにはない毒性と攻撃性を獲得したと考えられます。

 

ネットでは、日本在来のサムライアリが「奴隷狩り」する習性を持つことに注目して、

ヒアリ退治に有効なのでは?という声も見られます。

 

結論から言うと、サムライアリがヒアリを駆除することはないと考えられます。

サムライアリが奴隷とするアリは、クロヤマアリなどヤマアリ系の属だけに限定されており、それ以外の属のアリを自発的に襲うことはないということです。

 

 

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