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陶芸作家 水野教雄、親子三代を繋ぐ「練りこみ技法」

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「練り込み陶芸」に関する入門的知識

練込(ねりこみ)は、陶芸の伝統的技法で、その歴史は古く約1300年前の中国唐時代に始まりました。

陶芸作家・水野教雄さんの父・水野双鶴(初代)さんが日本で復興し、教雄さんも新しい試みを加えながら受け継いで、瀬戸市指定無形文化財保持者となっています。

さらにいまでは教雄さんの息子・智路さんも受け継いで、親子三代に渡る「練り込み」陶芸作家として活躍しています。

 

 

「練り込み」という技法を言葉だけで説明するのは難しいですが、色の違う二つ以上の粘土を組み合わせて柄を作る技法で、「練上」と言われることもあるようです。

 

練り込み技法とは、白い陶土に鉄やクロム
コバルト等の鉱物を練り合わせて
茶や黒等の色土を作ります。

それらを薄く切って積み上げたり
張り合わせたり、折り曲げたりして
模様を作る技法のことです。

筆で描いたものとは違い、金太郎飴や
巻き寿司の様に裏側にも同じ模様が現れます。

(水野智路ブログ「〜日常生活に練り込みを〜」より)

  http://colorclayworks.blog.fc2.com/

 

「練り込み」は、紙や頭の中で図面を描くところから始まり、必要な粘土の色味・質感・量などを考えて、粘土に鉱物を混ぜて色を付けた「色土」を作り、下から積み重ね、ドット絵みたいに埋めていく技法です。

 

水野さん親子三代の略歴を、次に記しておきます。

 

水野双鶴 Mizuno Soukaku(初代) 

瀬戸市小空町 寿窯。

水野双鶴(みずの そうかく)は、大正元年(1912年)9月16日、愛知県瀬戸市に生まれました。

日本の代表的な陶芸家である瀬戸の巨匠、藤井達吉に師事。

伝統的な陶芸技法を研究するとともに、創作芸術の追究に努めました。

 

瀬戸陶芸展、最高賞3回受賞。無鑑査。

全国陶芸展、東陶賞受賞。

関西美術展、受賞。

朝日陶芸展、知事賞2回受賞。

現代工芸展、7回入選。

日展、17回入選。

日本新工芸展東海テレビ賞・功労賞など、多数の受賞歴があります。

 

N.Yメトロポリタン美術館に、日本陶芸作品として永久保存。

現代日独陶芸作品交換のため、ドイツ・デュッセルドルフ陶磁器博物館に、作品を保存される。

日展出品作「層」、瀬戸市に永久保存される。

練り込み技法で「瀬戸市無形文化財保持者」に認定されています。

 

水野教雄 Mizuno Norio

窯名 寿窯。

水野教雄(みずの のりお)は、昭和25年(1950年)4月19日、水野双鶴(初代)の次男として、愛知県瀬戸市に生まれました。兄も陶芸家。

昭和47年(1972年)、名古屋造形芸術短期大学彫塑専攻科を卒業。

名古屋工業技術試験所で釉薬を研修し、昭和48年から作陶活動へと入りました。

日展日本新工芸展を中心に活動し、多数の受賞歴があります。

 

日展、39回入選。会友。中日賞受賞。
日本新工芸家連盟、審議員となる。
日本新工芸展、会員賞5回、会員佳作賞、工芸賞2回、帖佐美行記念賞、加藤卓男賞、松。坂屋賞受賞。オーストラリア展参加。
中日国際陶芸展、奨励賞受賞。
イタリア・ファエンツァ国際陶芸展、招待出品4回。
朝日陶芸展、’78賞受賞。
第5回日本招き猫大賞受賞。
世界デザイン博覧会出品。
愛知万博貴賓室、愛知県館作品展示。

 

平成22年(2010年)6月18日、瀬戸市指定無形文化財「陶芸 練り込み」保持者に認定される。


伝統的な練り込み文様の応用だけでなく、練り込みの新しい表現方法を求めて、写実的な文様にも挑戦しています。 

 

 
 
 
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2才半頃の写真。 #陶芸家のたまご #あの頃は #ロクロ #工房が遊び場 #水野智路

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作陶する水野教雄・智路さん親子
引用:水野智路Instagramより

 

水野智路 Mizuno Tomoro 

水野智路(みずの ともろ)は、祖父・水野双鶴、父・水野教雄と受け継がれて来た伝統的陶芸技法「練り込み」を継承する三代目の若手陶芸家です。

 

パンダ柄、動物柄、お相撲取り柄、星柄、小花柄など、ポップで現代的なデザインを「練り込み」技法に取り入れたことで、若い世代を中心に注目を集めています。

 

金太郎飴のように作った棒状の粘土を、「しっぴき」(糸を張った粘土を切るための道具)で切ると、切断面にそれぞれ微妙に違った図が現れ、それを無数に組み合わせて柄を作りますが、この同じような図の「微妙なゆがみ」がハートを刺激します!

 

智路さんは、ブログ、インスタグラム、フェイスブックツイッター、ユーチューブと、インターネットを駆使して、「練り込み」を世界に発信しています。

 

最初はインスタグラムに、作った陶芸作品の写真を載せていたのですが、プリント柄と思われたのかスルーされていたそうですが、ある日製作過程の「動画」を貼ったら、急に海外の方からメッセージが届くようになったそうです。

 

日本の若者たちの間でも、人気に火が付き、いまではすっかり人気インスタグラマーになってしまいました。それとともに、日本の伝統的陶芸技法である「練り込み」が注目され、世界中の陶芸家が「練り込み」に挑戦し、SNSに動画をアップしています。

  

 

 

平成20年(2008年)、名古屋造形芸術大学(現名古屋造形大学)卒業。作陶活動に入る。

平成21年(2009年)、第3回「陶のあかり路」 優秀賞受賞。

平成22年(2010年)、「水野教雄・智路 (親子) 二人展」開催。
平成25年(2013年)、第一回「瀬戸・藤四郎トリエンナーレ」 入選。
あいちトリエンナーレ事業「水野智路展」開催。
平成26年(2014年)、ジェイアール名古屋タカシマヤ「暮らしの手技」ギャラリー「水野智路 練り込みの風景」開催。
ジェイアール名古屋タカシマヤ「SETO-MONO展2014 -10人のアトリエ-」開催。
平成27年(2015年)、ジェイアール名古屋タカシマヤ「暮らしの手技」ギャラリー「水野智路 練り込みの風景2」開催。
ドームやきものワールド「男前 UTHUWA」、ドームやきものワールド賞受賞。
平成28年(2016年)、LEXSUS NEW TAKUMI PROJECT 2016粘土[匠] 選出。
ドームやきものワールド「男前 UTHUWA」、銀賞受賞。
平成29年(2017年)、ジェイアール名古屋タカシマヤ「水野智路展」開催。
京都タカシマヤ 器百選コーナー「水野智路作品展」開催。
渋谷ヒカリエ「made in Seto~瀬戸ツクリテの手仕事~」開催。

 

 

 

 

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