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「自学ノート」は、子供たちの未来を開けるか?

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「自学ノート」と聞いて、「ああ、あれね」という世代と、「なに、それ?」という世代があると思う。

ちなみに私は、後者の部類に入ります。

 

「自学ノート」というのは、ゆとり教育が云々された時代から始まったようだけど、現在でも多くの公立の小中学校で取り入れられているようです。

 

「自学ノート」のネタ探しを、ネットに頼る子供たち

 

 いまの子どもたちは、宿題とは別に、「自学ノート」を書かなければならいらしい。

 

宿題は、教師が子供たちに「これをしてきなさい」と命じるものだが、自学というのは、子供たちが自分でやることを決めて、それをノートに書いて教師に提出するもの。

 

ちょっと聞くと、 今の子どもたちは自分のやりたいことをやっていいのか、大したもんだ、と思うが、

Yahoo!知恵袋」とか「教えて!goo」を開いて、試しに「自学ノート」と打ち込んで検索してみてください。

 

驚くほどたくさんの小学生や中学生が、「自学ノートのネタが尽きました! 何かいいネタを教えてください!」と質問しています。

 

中には、保護者からの質問もあり、親が見てやれない時、子供はドリルから問題を引き写して、答えを書いて提出するという、一番カンタンなことばかりやっていて、こんなことをやるのに意味があるのか?と「自学ノート」への疑問をぶつけています。

 

子供がどれをやろうか迷うというのならまだしも、何をやっていいかわからず、ネットに情報提供をお願いするというのでは、教師によるオリエンテーション不足ということになるでしょうね。 

 

 子供たちが迎える「未来」とは?

 

そもそも「自学ノート」というのは、何を目的に導入されたものなんでしょう?

 

日本の若者たちは、諸外国とくらべると、「自己肯定感」が低いと言われます。

内閣府が発表した「 平成26年版、子ども・若者白書」によると、自己肯定感を持っている若者の割合は、アメリカ 86%、イギリス 83.1%、フランス 82.7%、ドイツ 80.9%に対して、日本は45.8%となっています。

どうしてこんなに日本は低いのでしょうか?

 

「うまく行くかどうかわからないことに意欲的に取り組む」という項目でも、日本が一番低い。これでは、未知のことに挑戦しようとする人物なんて、育ちようがない気がします。

 

「社会的規範意識」は諸外国並みに持っていますが、「社会問題への関与」や「社会的参加」への意欲は、やはり日本は一番低い。社会の悪い部分が見えていても、自分の手で変えられるとは思っていないらしい。

 

日本の若者は、自分の将来について明るい希望を持っておらず、将来、自分が幸福になれるとも思っていない。

 

こういう「社会観」や「自己意識」を持ってしまっている日本の若者たちを待っているのは、気候変動により毎年のように自然災害が襲って来る世界であり、少子高齢化が進み国際的な経済競争力が低下した日本の社会であり、日本的慣行から抜け出ることができないまま、他の先進国や新興国に追い抜かれていく企業社会です。

 

日本国政府や企業が、従来通りの学校教育では諸外国に太刀打ちできないと考え、「危機感」を抱いているのは明らかです。

 

そのために、英語教育改革や高校入試改革など、見切り発車的にバタバタやっているようですが、「自学ノート」の存在なども、そうした一連の出来事の一部であるようにも見えます。

 

とりあえず「自主性」を、勉学の上でも発揮してもらおうということなのでしょう。

 

でも、いま本当に必要なのは、親や子供に、この日本が置かれている状況に対する「危機感」を、共有してもらうことではないかという気もします。

そうすれば、将来のサバイバルのために、「自学ノート」で何をやればいいのか、そんなことも自ずとわかってくると思います。

 

「自学ノート」が目指すのは、子供たちの「自己肯定感」の向上なのか?

 

 誰かに言われたことをやるだけではダメ!

これからの社会で生き抜くには、問題を解決するために、様々な情報を集め、整理・分類し、自分なりに解決方法を探し、実践する力を身に着けることが大事!

「自学ノート」は、そのためにやるものらしいです!

 参考:「自学の進め方ハンドブック 教員用」

 

これって、大人たちも研究している「知的生産の技術」そのものではありませんか!

 

なるほど! 少し読めてきました。

 

自分の好きなテーマを選んで、いろいろ調べて理解するということを、粘り強く継続する。そのことを通して、自分の「成長」を実感して、「自己肯定感」を育てていく!

これですね!

「自学ノート」を書くことの究極の目的は、「達成感」「自己肯定感」を子供に持たせることなんですね! これならわかる!

 

そういえば「ゆとり教育」が叫ばれたのは、従来型の「詰め込み教育」が批判されたためでした。最近は、ゆとり教育の結果、子供たちの「学力の低下」が顕著になってきたため、ある程度の詰め込みは必要ということに、揺り戻しが来ていますが。

 

それでも「詰め込み(インプット)」だけでは実力がつかないというのは真実で、「アウトプット」することの重要性が、最近では認識されて来ています。

 

子供たちに「自学ノート」を書かせるのは、「アウトプット」の習慣付けなんですね!

 

詰め込んだものは、どんどんアウトプットしないと糞詰まりになってしまい、栄養を取り込めません。

 

いろいろなことをやってみて、成功だけでなく失敗を経験することも、子供にはいい経験だと思います。

失敗を恐れて何も始めないのではなく、何度でも「挑戦する」ことを体験的に知る。それを「自学ノート」で、自己決定を通して学んでいくこと。

 

「自学ノート」は、目的を理解したうえで実践する、あるいはさせるなら、有意義らしいことはわかりました。

 

問題は、その「やらせ方」にあるように思います。

 

 アウトプットの仕方を、子供たちに具体的にいろいろな事例を示して教える時間をたっぷり取る必要があると思います。

それも一度きりではなく、「自学ノート」を進めていく過程で、何度も!

 

そうすれば、子供たちがネットで、「自学ノート」のネタを教えて!とSOSを発することも、なくなりそうな気がします。

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